愛奈と暮らし始めて何日か経った。 愛奈が家族に電話をかけている様子はない。 そのうち帰るかとも思っていたけど 帰る様子はなさそうだ。 「タバコねぇ…買い行くか…」 タバコがない事に気付き、愛奈を残し俺は外に出た。 元々あまり吸わなかったけど、愛奈と暮らし始めてから1本も吸ってなかった。 「だいぶ寒くなってきたな…」 もうすぐ11月半ば。 そりゃ寒いはずだ。 「……」 この季節になると、 毎年思い出す。 俺にとって冬は、出逢いと別れの季節だった。