「まぁ読者に好かれてるぶん
同僚に嫌われてるけどね」
わははって笑いながら太一さんが
彼の事を教えてくれた
現在25歳の売れっ子小説家で独身
読者には絶大な人気を誇ってるけど
身内にはあの態度と売れっ子に対する
嫉妬から嫌われやすくなってるらしい
あの人25歳なのか…
もっと若く見えたけど
人は見かけによらないなぁ
そんな事を考えていると
「太一。余計なことばかり喋るな
担当外すぞ。」
真樹さんが二階から降りてきた
「そんな言わないでくださいよ~
お寿司、買ってきましたから~」
「あっ!買い物行かないと!」
「莉子ちゃんも食べなよ~
たくさん買ってきたから♪」
「いえ…でも…」
「茶、入れろ。
そしたら食っていい。」
「あ…はい!すぐ入れますね!」
お茶を入れに台所に向かう
…あの人悪い人じゃないかも。
今、私にお茶を入れる交換条件を
わざと出して食事に入りやすくしてくれた。
あの人…きっと、優しいんだ…。


