その後普通に撮影は再開した。
橘海斗と一緒に撮るという私にとっては普通じゃないことを除いては…
「海斗くーん!ちょっと笑ってくれないかな~?」
おっ!!
カメラマンさんの橘海斗への注文に私はにやりとする。
学校でも王子が笑った所なんて見たことない。
それに来たときからずっと面倒臭そうな顔してたし、きっと嫌々連れてこられたに違いない。
そんな王子が言われて笑うわけないじゃない。
だからカメラマンさん!
諦めて違う人探しましょう!!
私はばれるのが恐くて必死だった。
横目で橘海斗をちらっと見る。
うん!思ったとおりの無表情です!
と安心していると…
「はい。分かりました。」
うんうん。やっぱりね~!無理だよね~!…………
………………
……って、ん?…
…はい。分かりました?…………
……え~~~!?!?
―橘海斗はなんとOKしたのです(泣)……
