恐らく俺が踏んだのは田川の消しゴム。
田川に消しゴムを見せながら聞いた。
「これ…あんたの?」
俺ってやっぱ愛想なさすぎ。
踏んだくせにこの言い方はないだろうって我ながら反省。
「あ、うん。」
田川はなんとも言えない表情で答えた。
きっと新しい消しゴムなのに俺に踏まれてしまったからだろう。
そう思った俺は、
「ごめん。踏んじゃったから代わりに俺の消しゴム使って。
今日新しくしたばっかだから。」
自分の消しゴムも運よく新しくしたばっかりだったから、代わりに俺の消しゴムを田川にあげた。
これでとりあえず大丈夫だろう。
なんとなく田川が申し訳なさそうな顔をしていたような気がしたけど…まあ、気のせいか。
