「おいしょっと」 いつまでもここに居るわけにもいかないし、母やマネージャーからのメールや着信も絶えない。 気持ちも大分落ち着いたし、そろそろ帰ろう、と思って立ち上がった。 「じゃあ私帰ります。お邪魔しました。」 『お邪魔しました』は変かなと思ったけど、俺の隠れ家とか言ってたしまあ良いことにした。 その男の人は、まだ私の存在を無いものと考えているのか、返事はない。