そんな思いが私の頭の中を占領していた。
そして泣きつかれた私は、いつの間にか体育座りのままその場で寝てしまった。
――夢を見ていた――
目の前にはいつもと変わらない悠ちゃんがいて、
「美優帰ろう?」
と私に優しく微笑む。
「でも私のことが好きな訳じゃないんでしょ?…」
さっき悠ちゃんの本音を聞いてしまったせいで、
彼のいつもと変わらない笑顔に戸惑う。
「俺は“お前”が好きだって言っただろ?」
「でも…さっき悠ちゃんが教室で皆と話してたことは…」
「何言ってんだよ美優(笑)
俺が教室で皆と話してた?
さっきからずっと美優と一緒にいただろうが(笑)」
「…そっか!
そういえばそうだった!」
えへっ、と笑う私の頭を悠ちゃんが優しく撫でる。
あぁ、そっか…
さっき教室で聞いたことは夢だったんだ
私は悪い夢を見ていただけだったんだ
私の頭を悠ちゃんが撫でてくれている今が現実なんだ
私の胸の中には安堵と幸せな気持ちが湧いてきて………
