そうや、自分でも気づかんとこうと思ってたのに。だって、相手は16歳で大人やもん。うちみたいな子どもの相手なんかしてる暇ないやろうし。第一、うちは受験生やで?そんな愛だの恋だのでうつつをぬかしてる場合じゃないやん。
こうやって頭ではわかってても、もう気づいてしまったからには遅かった。頭の中に二宮さんが住み着いて離れへん。何をしてても彼の事しか考えられへん。頭に浮かぶのは、目をキラキラさして楽しそうに話す顔とか、ギター弾いてる姿とか、あの時の手の感触とか。まるで、なんかの中毒みたいに彼の事考えなかったら息がつまりそうで、四六時中彼の事ばっかり考えてた。