「ほんなら、おばあちゃんの好きな神田川歌うで?」

うんうん、って頷いて、いっつも聞く時は目を閉じてる。おばあちゃんは「めぐちゃんはギター上手やわぁ」って誉めてくれるけど、実は一番厳しい評論家やった。
弾き終わって

「どやった?」

って聞くと、おばあちゃんは

「まだ二十歳のコには哀愁は出されへんなぁ。」

って言って笑った。
つられてうちもいつも笑ってしまう。

「哀愁出せるように頑張るな!」

いっつも、ダメ出しされた後、うちはこうやっておばあちゃんに言った。