嘘があかんことやって、いつ誰に教えてもらったんかは覚えてへん。ちっちゃい時にいじめっこがズルして、うちが鬼になるように仕組んだり、みんなでグルになって遊びにいれてもらえへんかったり。そういう時にそんなんしたらあかんって思うようになったんやと思う。幼稚園でも喧嘩とかがあると先生が
「ちゃんと正直に言いなさい」
って言ってたし。正直に言いなさいってことは嘘つくなってことやし、嘘はいいものじゃないってことはわかってた。
でもさぁ、ちっちゃいコがつく嘘なんてバレバレやし、可愛いもんやん。自分の方を見てほしくて、構ってほしくて、ちっちゃい時は嘘ついたりしてた。うちの親は両親とも放任主義というか、基本的にほったらかしやったから、幼稚園児くらいの甘えたい年頃の時はあほみたいな嘘ついてまで、こっちを見てほしかったんやと思うねん。ただ、ちゃんと罪悪感はあったよ。したらあかんことをして、親の気をひくのって、その年にしたらなかなかの冒険やもん。下手したら、めちゃくちゃ怒られて終わりやもんなぁ。でも、罪悪感よりも構ってほしいっていう方が強かったから、そんな事続けてたんやと思う。確かにいつもうまくいくわけじゃなかったけど、仕事で忙しいおとんとか、家事育児に追われてるおかんにこっち向いてって精一杯のアピールをするには、これくらいしか思いつかなかってん。