まるで怪我する事を恐れていないかのようだった。

自分が傷つく事も、相手が傷つく事も。

どうすれば理想の自分になれるのか。

どうすれば追い求める強さが手に入るのか。

欲しくて欲しくてたまらなくて、手探りして、それでも闇の中で何も掴めなくて。

苛立って、闇雲に拳を突き出す日々。

結果、無闇に振るった拳が他人に、最愛の姉にぶつかり、傷つける事になった。

それでも弱いままの自分が嫌で。

いつまでも他人の背中に隠れ、強い兄や優しい姉に庇護されるままの足手纏いな自分が悔しくて。

ひたすらに強さを求めていた日々…。