夜の繁華街。

アテもなくフラフラしているうちに、一人の男と肩がぶつかった、ぶつからないで口論になった。

先に手を出したのは龍太郎。

勝ったのも龍太郎。

しかも一方的。

空手をやっていた彼にとって、ただの不良など敵にすらならない。

「丹下この野郎!ここらの中学で名前売ってっからって、ちっと生意気なんじゃねぇか?あ゛ぁ?」

「…………」

当時金髪だった髪を、血で汚れた両手で掻き揚げる。

真紅で染められた髪は、繁華街のネオンに照らされて不気味な輝きを宿す。