選択肢そのいち。
明るく、『私と友達になろう!』と言ってみる。

選択肢そのに。

……思いつかない!


そして選択肢1が私には実現不能な気がする。いや、むりだ。

自分の適応能力というか社交性のなさというか……。


……そんな時、彼女が持っている本が目に止まった。なんだか古びていて、難しそうな、あまり若い子が好き好んで読むような感じじゃないようなー。


「……なに読んでるの?」

「え?……あぁ……これ……?

キルケゴール」

……絶対難しい。
なんか倫理でやったなぁそんな人……と、思い当たる。
けどそんなものを読むような子がいるのか。この年で……。

「……哲学……書?」

「うん。お兄ちゃんの本なんだけど」

「難しそう……」

「そんなことないよ。ウィトゲンシュタインとかもっと訳分かんないから。まだマシ」