―《街の裏通り》― 「……優夜 どこに行ってたんだ、探したんだぞ?」 紫の髪を靡かせながら十八歳くらいの青年が蒼髪の青年に声をかける。 「刹那…」 「たく… 降りだしそうだから 一旦城に戻るぞ?」 紫の髪の青年が蒼髪の青年の手を引く。 しかし 蒼髪の青年はその場から動こうとしない。 「優夜…?」 「…」 ポツリ… ついに 降り始めた雨が彼らの髪や体をを濡らしていく。 白いシャツが水分を含んで透けていく。 「分からない…、寂しいって 感じる…」