「憐 せめて 紅茶くらい飲もう?」

「いらない…」


顔のそっくりな男女はため息をついてから片付けを始める。

双子の姉弟の谺と魑は憐をずっと 護っていた。

この二年で三人は微かにでも成長している。

紙に描かれている憐の顔はまだ幼さが残っているが、現在の憐は昔に負けないくらい 美少女になっていた。


彼女は十七歳になり、双子は十五歳になった。


「優夜…、刹那…」


憐の愛しい人、二人は生きていれば 今 十八歳だ。

ロケットの写真を見る憐の瞳から紅い涙が溢れ落ちた。