少女はぬいぐるみを抱え上げて部屋を出た。

古びた木製の階段を降りると、顔のそっくりな男女が待っていた。


「「おはよう、憐」」

「おはよう… 谺 魑」


テーブルには朝ごはんが並んでいた。
食パンにサラダ、ミルクティー。


「………食欲ないから いらない」

「憐…また 食べないの?」


食卓とは違うテーブルに置かれていた一枚の紙。


《指名手配》

――憐姫。
$ 1,000,000



「………」


憐姫…、少女はかつてこの国の頂点に立っていた姫様だった。

しかし 二年前に起きた革命によって姫として 命を狙われていた。