「……、憐」
「じゃ バイバイ~」
優夜と刹那は建物の影に姿を消してしまった。
双子は急いで追いかけるが、見失ってしまった。
「「憐……」」
―――――。
「軽いね あんな子供」
「あぁ、だが 何であいつらは俺たちを知ってたんだ?」
二人は雨の中、全力疾走している。
徐々に近づいていくお城に恐怖を覚え、憐は自分を抱えている刹那の服を握り締めた。
「…? どうした」
「あ…ぃや…、」
憐は顔を俯かせてしまった。
刹那は憐を抱えていない手で憐の頭を柔らかく撫でた。
「安心しろ、何も今日の直ぐに殺されたりはしない」
刹那の言葉に憐は殺させるより、違う不安を感じた。
「……ぁ、ぬいぐるみ…」
憐は刹那からの宝物をドコかに落としてしまっていた。

