「「憐!!」」 突然、刹那に向かって何かが飛んできた。 その何かを刹那は糸も簡単に鞭で跳ね返す。 「憐を離して!」 谺が優夜に刀を振り下ろす。 雨音に負けないくらい大きな銀属音が路地裏に木霊する。 「え…? …優夜?」 「どちら様?」 語尾の"ま"を強調し、優夜が谺を撥ね飛ばす。 優夜の手にはドコから取り出したかわからない斧が握られている。 体制を整え直した谺と魑は二人に刀を向ける。 「憐から離れて…、あんた達に記憶が無いのは調査済みよ………」