言葉は違えどダリアの花に例えられたのは二回目だった。
あの時の記憶が蘇る。
「……、」
憐が黙り込んでしまったことに二人は首を傾げて疑問を持つ。
だが、何も言わず笑う。
「ま あんたは捕まえるね?」
「あ…、」
優夜と刹那に両手を掴まれる。
振りほどかないといけないと分かっていても、相手がこの二人だ。
むしろ 二人に繋がれた手を弱く握り返してしまった。
「クス…、随分 大胆だね?」
「そんなに俺達と手を繋ぎたかったのか?」
二人はニヤッと歯を見せて憐に振り返りながら笑った。
初めて見た笑い方に、憐の胸が高鳴った。

