「……ほんとに そうなのかな…」 優夜が刹那から離れるとお湯が波打つ。 優夜がお湯の湧き場所に移動する。 湧きたてのお湯を撫でるように指をお湯に触れさせる。 「どういうことだ…?」 刹那が優夜に向き直りながら聞き返す。 優夜は泣きそうな顔をしながらお湯を手にすくう。 「何かを…忘れているような気がする…、」 「……それは 俺も同じだ。 …だが 気がするだけで 忘れてる訳じゃないだろ」 刹那は瞼を閉じ壁に背中を預ける。 引き締まった体が湯船から少し見える。