バシャバシャ…! 「はぁ…はぁ…」 憐は急いで家に向かっていた。 知らない人に遊びに誘われ頭を撫でられた。 しかし、フードの上からの感覚だったが いつだったかの 大好きな感覚に似ていた。 そう 二年前に別れて二度と会えないと思っている 優夜の手…。 ガチャ…バタン、 憐は家の玄関に背中を預けて息を切らしていた。 雨の音でよく声が聞こえなかったが微かに香ったお菓子の甘い香りと…手の感覚…。 「優夜……?」 憐は濡れた体を抱き、膝をついた。 窓の外は暗くなり始めていた。