「思い出せない…」
「大切なモノを…」
優夜と刹那は激しく切らした息を整えようと、深呼吸を繰り返す。
まだうっすらと残る頭痛。
二人は瞼をきつく閉じる。
「きゃっ!!」
「「憐!?」」
二人が目を開くと、気絶している憐を抱えた蜩の姿が目に写った。
「俺を撃とうなんて考えるなよ? 今の状態で発砲したら……わかるだろ?」
「くっ……、」
蜩は窓から外に逃げていった。
「…憐」
「…っ、」
二人は未だに残る余韻に立てずにいた。
「……ねぇ 刹那…」
「あぁ…、一つだけ、思い出したことがある…」
二人は息を荒らげながら窓の外に降り続く雨を見た。
「名前が思い出せない…彼女との、関係を…」
「汚れた 罪深き愛…、…だったこと、」
二人は手を右手を見つめる。
そして 辛そうに顔を歪めた。

