【子供より愚かな
愛の示し方…、
貴女を無意識に
傷つけていた…―。】
優夜はベランダで雨が降り続くだけの退屈な空を見上げていた。
ため息混じりの午後。
朝から代わり映えの無い空。
昨夜、無理矢理に愛した憐を思い出す。
「……ほんと、子供みたい」
優夜は濡れた髪を掻き上げて辛そうに微笑んだ。
先程と何も変わらない空を見上げる。
ひたすらに降る雨は、何かを予感しているように 優夜の体温を奪っていった。
「……そうだ、憐にミルクティーでも 淹れてあげよう」
優夜は喜びに満ち溢れた憐の笑顔を想像しながら、屋敷内へ戻っていった。

