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「……る、三条薫!」

やばい!
完璧に寝てたし!

「三条薫くん?いますか?」
「はい!います!」
「!?」

立ち上がって、慌てて返事をしようとしたら
知らない声に先を越された。

「……では続けます、高田健吾」
「はい!」

俺の返事をした声が、再び返事をする。
場内が微かにざわつく。

声の主――俺の右隣に目をやると
日に焼けていて、うるさそうな感じの男が
こっちに向かってウインクをしてきた。