そして俺は、顔を上げた。
よく見ると、恐ろしいほど整った顔立ちだ。
そして何より、そこら変の女たちとは違う雰囲気が漂っていた。
「あ、あの…大丈夫ですか?」
物凄く心配している謎の少女。
「大丈夫だよね?昴!」
と、俺に問い掛けてくる海翔。
俺がぶつかったのに、なんでそんなこというんだ?
まぁ、大丈夫だからいいけど。
「あ、ぉう。」
「それならいいんですけど…」
「きにしないでー♪」
おいおい、それこっちのセリフだから。
「あ、はい…、じゃあ私はこれで…。」
「じゃあねー♪」
と、元気よく見送った海翔。
テンション高…。
「なぁなぁ、昴!さっきの子、噂の転校生だったよね!?」
「あいつだったのか?」
そんな感じはしていた。
見かけない顔だったし。
「そうだよ!だって言ったとおり、絶世の美女だったよ〜。」
「まぁたしかに。」
「でもさぁー、名前聞くの忘れたぁ↓」
「本当、お前女みてぇだな」
「それいうなっ」
と、言って俺の頭をポンと叩いた。

