今でも碧があたしを叩き続ける姿が目に浮かぶ。
涙を流しあたしの服に顔をうずめ弱弱しくあたしを叩く碧。
「お姉ちゃん、お母さんを…ッ…お母さんを返して…お母さんを返してよぉっ!!」
あたしはその姿を忘れることができなかった。
素直で強がりで優しくて一度もあたしを責めたことがない碧があたしを責める姿など忘れられるはずがない…
お父さんもあたしを怒鳴りつけお母さんを殺したのはあたしだと責めた。
そしてただ呆然と立ち尽くすあたしに言ったんだ。
お前なんか俺の娘じゃない。
死んでしまえ。
俺の前に二度とその面をみせるな、と。
数時間後お父さんはまだ小3の碧を連れ大きな鞄を持ちあたしの前から姿を消した。
