光~彼との夏物語~



お母さんが死んだあの日。

あたしは友達と夜の街を徘徊していた。
ナンパしてきた男を連れて遊びまわっていたあたしはお母さんが倒れて病院に運び込まれたことなんて知るよしもない。

結局お母さんが死んだことも知らず家に帰ったときはもうお母さんはこの世からいなくなっていた。

お母さんが死んだことを知ったあたしは罪悪感に苛まれ、お母さんを最後に見送れなかったことを後悔し続けた。

死因はストレスによる脳梗塞。
言われなくてもわかる。
全部、全部全部全部あたしのせい。
あたしが心配させたからだ…

お母さんのお葬式が終わり家に帰ったあたしは妹の碧に泣きつかれた。
あたしの胸を叩きながら「お母さんを返して」と涙を流す妹をあたしはただ見下ろすことしかできなかった。