光~彼との夏物語~



「なんで死のうとするの?」

男があたしにそう話しかける。
空を見上げたまま、静かに。
悲しそうな声色があたしの耳の中でこだまする。

あたしが後退ったのに気付いたのか。
それとも気付いていない?

言葉を返さなければ変に思って男はあたしのほうを見るだろうか。
そんなの…ダメだ。
この距離ならまた止められかねない。

「…生きる意味が分からないから。あたしには生きている意味なんて…」

嗚呼、なんだか。
自分で言っているのに虚しいや。
自分のせいなのにね。


「じゃあ一緒に探してやるよ。」

あたしは思わず後退っていた足を止めた。
それと同時に男はあたしを振り返る。

この人は何を言っている?
探す?あたしの生きている意味を?
なんで?あたしの生きている意味を探してなんになる?