「…にすんの…」
「ん?」
「何すんのよ!」
あたしは掴まれていた手を乱暴に払いのけ男を睨みつけた。
また…
また邪魔をする…
何であたしを死なせてくれないの?
「何であたしを止めるの!?死なせてよ!止めないで!!」
あたしは涙を流していた。
悔しい…
あたしを死なせてくれないのが堪らなく悔しい。
「嫌よ、もう…!何であたしは…何でッ…死ねないの…ッ」
男は何も言わずあたしの瞳を見つめ続けている。
まるであたしの中の悲しみを知ろうとでもしているみたいに。
あたしは思わず視線をずらし下を見つめた。
乾いたコンクリートに丸いシミがポツリポツリとでき始める。
お母さん…
何であたし死ねないのかな?
あたしはお母さんに謝りたいだけなのに。
どうして…
