光~彼との夏物語~



やっとこれで----…という時に背後で声がした。
振り返るとそこには今時のチャラチャラした格好をした男の姿があった。
壁に寄りかかり、あたしを見つめている。
鍵をかけたはずなのにどうして…
ちゃんと閉まっているか確認したはずなのになんで?
どうしているの?
あたしが来たとき誰もいなかったのに…
「ねぇ」
もう一度男はあたしに向かって話しかけた。
あたしはそのまま飛び降りればいいものを男の言葉に耳を傾けてしまった。
「何----…」

あれ?
あたし何しようとしてたっけ。
…そうだ、今から死ぬとこだった。
何やってんの、あたし。

男なんか気にせず飛び降り-----…ッ?

あたしは飛び降りようとした瞬間男に手を掴まれ屋上へと引き戻されていた。
この男いつの間にあたしの傍に…