「何、その噂。」

先輩の目が険しくなった。

「結構流れてるよ。で、どうなのっ??」

「付き合ってないから。
俺、噂とか大嫌いなんだけど。」

キッパリ言った。

「へーっ♪じゃあ、その子のこと
どう思ってるのっ??」

どきっ。
聞きたいけど・・・怖い。
先輩はなんて答えるのかな・・・

「それは・・・、仲のいい後輩だと
俺は思ってる。」


―――仲のいい後輩。

そんなこと分かってた。
でもどこか期待してた自分がいた。

きっとこれ以上越えられない壁。
失恋・・・・したんだ。


「あら、そうなの。
じゃああたしと付き合ってよ。」


・・・・!!!
もう、耐えらんない。



私はそこから逃げ出した。




先輩、付き合っちゃうのかな。

もう一緒に帰れないな。
ほんとに迷惑かけちゃうもん。

この気持ちともさよならしなきゃ。




だって先輩にとって私は
ただの後輩だから。