刹那音



俺は、その華奢な肩に手を置いて、希衣を自分から少し離した。


「…律?」


希衣は相変わらず白い頬を赤く染めて、まっすぐ俺を見ていた。


「……好きだよ」




そっと唇を重ねた。






透き通る空には雲ひとつない。


あるのは桜の花びらと、暖かい光と、





甘い石鹸の香りだけ。