僕らのディステニー




「ふぁ~」



お兄ちゃんの支度している音で起きてしまったから

あくびするのも無理はない。


今は5月。
私は最近、高校生になったばかりだ。

しかも制服がぴったりすぎて
来年の自分が想像出来ない。



「おはよう、ありさ」



「あっ、由紀ちゃん。おはよ」



田辺由紀(たなべ ゆき)

高校に入ってからの新しい友達。

かなり天然で、
お兄ちゃんの次に優しかったりする。



「あのね、あたし好きな人出来たんだ」



「え、もう?!」



「まだ、よくわからないけど
目で追っちゃうの」



「ってことは、この学校?」


「そうなの、へへっ」



可愛い!って、叫びたくなるほど、

由紀ちゃんの笑顔はひまわりみたいなんだ。


それにしても、恋かあ…


さすがに有言実行とはならずに
高校生活の1年目をスルーしてしまうのかな。



「田辺っ」



「あっ!…和樹くん」



由紀ちゃんは、いっきに頬を赤めた。



「もしかして?」


「うん…」



と言って、さらに顔を真っ赤にした。



「その子、田辺の友達?」



「そう。仲良しのありさだよ」



「はじめまして、加賀ありさです」



「俺、佐藤和樹な。よろしく!じゃ、こいつは…」



あれ?と、言いながら
周りをキョロキョロして
誰かを探してるみたい。



「あ!悠〜、先行くなよ」



「だって遅い…」



悠(はるか)…。
女の子みたいな名前だな。
でも、佐藤君が連れて来た悠という人は
名前がピッタリ当てはまる美男子だった。



「ごめんな、こいつ面倒くさがりで…」



「荻沼 悠」 



えっ……。
ありえないほどの無口。
佐藤君とは真逆の、クールボーイ。



「田辺 由紀です!」



「加賀 ありさです…」



「…」



はい、変な空気。

ホントに佐藤君の友達なのか?
疑うほど、素っ気ない。



「こいつ、必要最低限の事しか喋んないから
ごめんな…」



「いえいえ、大丈夫だよ!
ね、ありさ?!」



良い返事をしてと言わんばかりの目…。


恋をした由紀ちゃんは、
必死に追いかけようとしてるんだ。

羨ましい。



「はい!もう、全っ然!!」



「ありがとう。ほらお前も」



佐藤君は、荻沼君の頭を下げようとしたが
呆気なくほどかれた。




「じゃあ、4人で行くか!」