冷たい雨の中ひとりぼっちで泣いていたアタシ




通り過ぎて行く人の影をただ見つめていた




興味本位で声を掛けてくる人もいた




声を掛けてもらえると、ただ嬉しくてアタシは笑顔で応えた




だけど誰もアタシの傍から消えて行くんだね




次こそは




今度こそは




何度心の中で願ったんだろう




だけど誰もアタシを抱き締めてくれなかった




アタシ何の為に生まれて来たんだろう?




どうして冷たい雨の中体を震わせているんだろう




アタシが何をしたの?




その答えは誰に聞いても答えもらえなくて




アタシは1人冷たい雨の中で聞こえるか聞こえないかの解らない小さな声をあげて鳴き続けていた




もうアタシ疲れたよ…




消えかけていく意識の中で幸せな夢を見たんだ




温かい温もりに包まれて
大好きな人達に囲まれながら笑顔のアタシ




夢の中のアタシは幸せなんだ



夢の中だけでも幸せならそれでいいんだ




夢なら醒めなきゃいいのに



消えかけの意識の中で目に映ったのは天使だった




アタシを抱き上げ『一緒に帰ろうね』天使はそう言ってアタシを連れて行ってくれた



目が醒めた時にはアタシを心配そうに眺める1人の女の子がいた




目が醒めた事に気づいた女の子は満面の笑顔で




『お父さん・お母さん目を覚ましたよ。もう大丈夫だよね?』




そう言いながら抱き締めてくれた




これは夢の続き?
違う夢なんかじゃない




夢なら感じれない温もりが今は伝わってきているよ




アタシの顔をジーっと見つめながら『今日からはアナタは私達の家族になるんだよ。ずっと一緒にいようね』




女の子がそう言ってくれるからアタシは尻尾を振りながら喜んだんだよ




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