「おはよ、中谷」



私の隣に座りながら
飯野くんが小声で言う。



「おはよの時間じゃないし」


嬉しいけど…
恥ずかしいから

顔は窓の外に向けたまま
そう返した。





「ひどっ。」



「うるさい。」




もちろん窓の外を見ながら 言う。