「1人なの?」

え、何?


彼らはあたしに向かって、じりじりと少しずつ距離を詰めてくる。

そのときになぜだか恐怖を感じ取るけども、進藤君のことを考えていたせいで頭の整理がつかず、混乱していて何もできない。


「泣きそうになってるけど、どうしたの?」

「好きな人に振られたとか?」

「オレらがなぐさめてあげようか?」

ますます畏怖するあたしは逃げようと電信柱から離れようとすると、男子たちがあたしを取り囲んだ。


「やっ……!?」

さらにパニックするあたしの両手を掴んで、後ろに回されてしまう。

なんとか自ら解こうと暴れてみるけど、解放するどころかあたしの両手首を握った。


「オレらと気持ちイイコトしない?」

「っ、やだぁ……っ!」

まだ食い下がろうと、とにかくじたばたしてみてもどうにもならなかった。


自分の無力さがわかった瞬間、怖くなって体が震え出す。


怖いよ、進藤君……!


心中から彼を呼んだって来るはずもなかった。


「そう、イヤがんなって。すぐに気持ちよくなるから」

あっちこっちから手が伸び、あたしの体を撫ではじめる。


誰にも触られたことがないので、やってくるのは嫌悪感とぞわぞわした気持ち悪さだけだった。


やだ……。
誰か、助けて!
進藤君っ……!!