その瞳で見つめて~恋心~【完】

「あ」

「え?」

進藤君は何かを思い出したようで、あたしを解放した。


もう少し抱きしめられたかったので、残念に思う。


「家に寄ってってくれない?」

「え? なんで?」

「ちょっと、ね」

進藤君はどうしてか不敵な笑みを見せて、意味深長な表情を浮かべる。


ちょっとって……。
そんなこと言われたら、行きたくなるよ。


「水嶋さんにあげたいものがあって」

「あげたいもの?」

「うん」

なんだろう……?


進藤君は最初からあたしを家に招き入れるためだったのか、気がつけば進藤君の家の前に立っていた。

進藤君はあたしの手を引いて、家の中へお邪魔した。


「はい、これ」

進藤君は自分の部屋に入って、真っ先に机に向かった。

そして引き出しから小さな包みを取り出して、あたしに差し出した。


「中、見てみて?」

「うん」

何かと思ってうずうずしながら受け取ると、包みからあるものを取り出した。


「ストラップ……?」

「うん。かわいいでしょ?」

「うん」

出てきたものは四つ葉のクローバーのストラップだった。

しかも、一つ一つの葉は色が違ってかわいい。


「いいの? もらって」

「うん。水嶋さんが好きそうなやつ、たまたま見つけたから。──気に入ってくれた?」