その瞳で見つめて~恋心~【完】

「なんで霧島君、そんなトコにいるの?」

「諦めたはずじゃなかったっけ?」

霧島君を警戒しているあたしたちの間に、彼は堂々と割り込んできた。


「諦めたって。だからいいじゃん、別に。なあ?」

霧島君は進藤君に絡みつくようにして腕を後ろに回しながら、あたしを横目で見やっている。


な、何?
この密着……。


彼がわざとやっていることに気づき、ムカッとわずかに怒りを感じた。


「霧島君、進藤君から離れて」

そう言いながら、進藤君に引っつく霧島君の腕をはがす。


「それに、あたしは進藤君と帰るの。──進藤君、行こ」

「う、うん」

強引に2人を切り離して、進藤君の手を握って引っぱるようにして帰路につく。


夢中に歩いている最中、霧島君と進藤君がくっついている様子を思い浮かべてしまった。

あの密着している姿を見ていて、胸のあたりがモヤモヤとざわついている。


「水嶋さん?」

だいぶ歩いて、進藤君は閉ざしていた口を開けた。

その声にふと足を止めた。


「どうしたの、いきなり?」

「──の」

「え?」

聞こえなかったみたいで、進藤君は疑問の声を出して聞き返してくる。


「イヤだったの。進藤君と霧島君が密着してて」

「えっ、それ。──ヤキモチ?」

「え? ──え、あ……っ」

や、ヤキモチ……!?
これが……?