「あ。そういえば」
霧島君との勝負の話をしていて、ある約束したことを思い出す。
進藤君から、霧島君に勝ったら『抱きしめる』というご褒美がほしいと言われたのだ。
「ご褒美、だよね?」
「え?」
進藤君は疑問の声を上げて、あたしも驚いた。
彼が言い出したはずなのに、忘れてしまったのだろうか。
あの日の恥ずかしいご褒美の話を自分から話さなければならないかと思うと、もじもじと体をよじる。
「だ、だから……。進藤君が一応、勝ったわけだし。ご褒美だよね?」
頬が熱くなっていることを感じながらも、なんとか言う。
すると、進藤君はご褒美の件を聞いて黙っていたけど、しばらくして「あー」と声を出して思い出したようだ。
「そんな約束したね。水嶋さんからぎゅっとしてくれるんだよね?」
「うん」
彼の反応を見て、肩を落としそうになる。
あのときは勇気を出して約束したはずなのに、進藤君にはあっさりと忘れ去られていたことに、ショックを受けてめまいがしそうだった。
「あ。ここでいいの?」
「うん」
「じゃあ、お願いしよっと」
まるで世界の時間が止まったように、風の音や周りの喧騒(けんそう)が聞こえなくなって、進藤君も微動だにしない。
霧島君との勝負の話をしていて、ある約束したことを思い出す。
進藤君から、霧島君に勝ったら『抱きしめる』というご褒美がほしいと言われたのだ。
「ご褒美、だよね?」
「え?」
進藤君は疑問の声を上げて、あたしも驚いた。
彼が言い出したはずなのに、忘れてしまったのだろうか。
あの日の恥ずかしいご褒美の話を自分から話さなければならないかと思うと、もじもじと体をよじる。
「だ、だから……。進藤君が一応、勝ったわけだし。ご褒美だよね?」
頬が熱くなっていることを感じながらも、なんとか言う。
すると、進藤君はご褒美の件を聞いて黙っていたけど、しばらくして「あー」と声を出して思い出したようだ。
「そんな約束したね。水嶋さんからぎゅっとしてくれるんだよね?」
「うん」
彼の反応を見て、肩を落としそうになる。
あのときは勇気を出して約束したはずなのに、進藤君にはあっさりと忘れ去られていたことに、ショックを受けてめまいがしそうだった。
「あ。ここでいいの?」
「うん」
「じゃあ、お願いしよっと」
まるで世界の時間が止まったように、風の音や周りの喧騒(けんそう)が聞こえなくなって、進藤君も微動だにしない。

