その瞳で見つめて~恋心~【完】

 


「まあ、とりあえず。よかったね」

「う、うん」

今日の昼休みは屋上ではなく、中庭で昼食をとってこの時間を過ごすことになった。


屋上はいつでも行けるというわけではなくて、たいていは解放されていないことが多い。


屋上に通じる扉は理事長が管理しているらしく、解放されている日は理事長が休んでいるんじゃないかと噂される。

なぜなら、理事長は自由な人だって聞くから。


「水嶋さんさ。霧島と俺、どっちがよかった?」

「え?」

進藤君が突然、おかしな質問をぶつけてくるので、箸で掴んでいたおかずが弁当箱の中へ落ちる。


「んー、と。強いて言うなら、俺と霧島、どっちが好き?」

し、強いてって言われても……。
あたし、進藤君のことが好きなわけだし。


一歩間違えれば告白と同じ意味を成すだろう返答に、困惑してしまう。


「し、進藤、君……かな?」

告白にならないようにと選んだ答えは、なんだか素っ気ないものに感じる。


まだ、素直になれないよ……。


「マジ? これが告白だったら、もっとうれしいのになぁ」

と、進藤君はうれしそうに笑みを浮かべている。


あたしだってこんな言い方じゃなくて、ちゃんと好きって言いたいのに。
でも、告白するそんな勇気、まだないよ。