その瞳で見つめて~恋心~【完】

「じゃあ、俺も退散するから」

新聞部の彼も進藤君に別れを告げて、教室を後にした。


「し……進藤君……っ」

「わっ」

あたしは進藤君に勢いよく抱きついた。


何が起きたか全くわからずに、呆然と彼らのやりとりを見ていた。

けれども、全ては進藤君が思い描く脚本通りに物事が動いていたこと。

進藤君が創ったストーリーのおかげで、霧島君が諦めてくれたことは判断できた。


不安が消失して安心しきったあたしは、泣きながら進藤君にしがみついたんだ。


「こ、怖かった……っ」

「あー。ごめんね。巻き込んじゃって」

進藤君は謝りながらあたしの頭を撫でて、なぐさめてくれる。


その仕種のせいで、ますます涙腺が緩んだ。


「困ったら、頭撫でてくれたらよかったのに」

「そんな余裕ないよ……」

「そりゃあ、そうか」

進藤君のシナリオにひどい目に遭いながらも、すっかり安堵(あんど)したあたしは彼に抱きついて泣くことしかできなかった。


そんな泣き喚(わめ)くあたしに全く話しかけてこなかったけど、進藤君は泣き止むまで頭を撫でてくれていた。


このときに決めたんだ。
もう、進藤君から離れたくないって……。