その瞳で見つめて~恋心~【完】

「そっか……。判ったよ」

頭上から進藤君の声が降ってきた。

その彼の声は普段よりトーンが下がって、明らかにショックを受けているような悲しそうに返事をした。


「じゃあ、俺の勝ちだな」

「うん。水嶋さんが選んだんなら、仕方がないよ。じゃあね」

進藤君の別れの言葉とともに頭を上げると、すでに彼はいなかった。

あの新聞部も満足したんだろう、彼も教室から姿を消していた。


「じゃあ、水嶋。──いいよな」

霧島君はあたしに悲しむ余韻(よいん)に浸らせようとせず、こちらに近づいて正面に立つ。


「あたし……霧島君とも付き合えないよ」

「はあ?」

「あたしが好きな人はたった1人だもん……!」

彼の目を真っすぐに見て、大声で告白した。

届かないかもしれないけど、進藤君に伝わるように──と、どこかで思っていたからなのかもしれない。


あたしが好きな人は進藤君だ。

好きな人がいるのに、霧島君と付き合うなんて、そんな器用なことはあたしにはできない。


「ふざけんなよ! 俺が勝ったんだぞ!」

「きゃっ……!」

霧島君はもう怒り心頭の様子で、あたしの上体を机に乗せて手首を掴んで固定する。


「付き合うのがダメなら、この場で犯してやるよ……!」

「──はい、ストーップ」