「──水嶋さん、どうしたの?」
また無の状態になっていたようで、進藤君の声で我に返った。
「な、何が?」
「暗い顔でぼーっとしてるけど……。もしかして、霧島に何か言われた?」
進藤君は心配そうにあたしを見つめてきた。
「今朝、言ったよね。何でも言ってねって」
「だ……大丈夫だよ! 霧島君には何も言われてないし、何もされてないから!」
さすが、鋭い。
でも、進藤君に迷惑をかけたくなくて、何も言えない。
「そう? ──なら、いいんだけど……。水嶋さんって我慢しちゃうタイプだから、心配なんだよ」
進藤先輩も同じことを言っていた。
けれども、進藤君に言われると、不謹慎でも、うれしく思ってしまう。
「ありがとう。でも、大丈夫だから」
強がったけど、実を言えば進藤君に抱きついてしまいたい。
なのに、それさえもできないんだ。
「いざとなったら言ってね。オトコって、女の子に頼られると断れないんだから」
「進藤君が言うと、説得力あるね」
「もー。最近の水嶋さん、俺を苛めてない?」
「いじめてないよー」
進藤君には、やっぱり迷惑をかけたくない。
明日、進藤君に別れを告げよう。
だから、今日は進藤君と笑い合いたい……。

