その瞳で見つめて~恋心~【完】

「え?」

「その代わり、俺の前で進藤をフってくれたら、この写真は燃やそうか」

「えっ!」

「お前、ふざけんな! 俺との話はどうなんだよ!?」

「安心しろ。警察には突き出さないから。──まあ、一晩考えてくれよな」

新聞部部員はあたしを見て小さく笑って、去っていった。


「じゃあな」

霧島君はすっかり機嫌が悪くなって、別れを告げてさっさと帰っていった。


「──水嶋さーん!」

ショックでマットの上に座って呆然としていると、進藤君の声が聞こえてきてビクッと体を震わせた。


大変なことになっちゃった。
こんなんじゃ、会いづらいよ……。


けれども、進藤君が探しに来てくれているだから、申し訳ない気がした。


あたしは彼に何かあったことに悟られないように急いで立ち上がって、体に付着したと思われるホコリを払った。


支度を終えると倉庫から顔だけを覗かせて、進藤君を探すと右方向にあるテニスコートに彼はいた。


進藤君に何もなかったように取り繕(つくろ)おうと深呼吸をしてから、倉庫からテニスコートに走って向かった。


「進藤君、ごめんね!」

「あ、水嶋さん! よかった」

「うん、ごめんね。今日の片づけ当番が休みで、明日があたしだから代わりにやってて……」

「そっか。だから、倉庫のほうから来たんだ」

「うん。着替えてくるから、待ってて」

「判ったよ」