その瞳で見つめて~恋心~【完】

「な、何か……って……?」

イヤでも視界に入る霧島君の顔は怪しい笑みで歪み、よくない予感が脳に過ぎって額に汗がにじみ出す。


「あー、水嶋って初めて? だったら、痛いかもな?」

「え……」

困惑するあたしに向けて、霧島君の顔が徐に距離を縮めてくる。


「いや……!! やだ、キスだけは……っ」

あたしは顔を逸らして、キスだけは──と阻止する。


「進藤のために残しときたい? ──バカじゃん。余計、奪いたくなるだろ」

「いやぁ……!!」


霧島君はあごを掴んで、顔を仰向けにさせる。

けれども、あたしは口を手で覆って必死に抵抗するが、霧島君は手を退かそうとする。


いや、誰か……誰か、助けて……!!


──カシャッ


「え……?」

カシャッ──という音とともに、まばゆいフラッシュがたかれた。

思わず倉庫の出入り口に目を向けると、誰かがカメラを持って立っている。


「婦女暴行未遂を証明する写真、ゲット」

「はぁ!? テメー!」

霧島君は怒りで立ち上がると、さらに話を続ける。


「プラス暴行罪か?」

「お前、ふざけんなよ!」

よく見ると、カメラを首にぶら下げている人物は男子だ。


「別に、警察に突き出してもいいんだけど? 証拠の写真と彼女の証言があれば、警察はふさわしい対応をしてくれるからな」

もしかして、あたし……助かった?


あたしたちはあまりにも急な展開に呆然としていて、状況が把握できずにいた。