進藤君があたしの心情を当てたので、顔から火が出そうなくらいに熱くなった。


進藤君は、ゆでだこのようになっているだろうあたしを見て、驚いている。


「えっ、図星?」

体が真っ先に反応したあとに、恥ずかしさがわいてくる。

もうこんな真っ赤になっている顔を見られたくなくて、目線を地面に向ける。


「水嶋さん。俺が行くの、やだ?」

進藤君はあたしを覗き見て、意地悪に笑う。


なんか、今日の進藤君、すごく意地悪だ。
 でも……、行ってほしくない……。


「っ……、行っちゃ……、やだ……」

「行ってほしくないの? じゃあ、俺を見て?」

徐(おもむろ)に顔を上げると、進藤君は真っすぐあたしを見つめてから微笑んだ。


「よくできました。じゃあ、おやすみ」

進藤君は最後に頭を撫で、後ろ歩きをしながら手を振る。

あたしも昨日のような恥じらいを忘れて、なんとか進藤君に手を振り返した。


どうしよう。
すごくドキドキしてる……。
あたし、もしかして?
──ううん。
まだ先輩のこと、諦めきれないよ……。


あたしはこのドキドキと速まる脈を気にしないことにして、家に入った。