「あれ? 水嶋さん、顔が赤い……?」

「き、ききき……っ、気のせいだよ!」

赤面していることが暴かれそうになったので、あわてて進藤君に背を向ける。


だってバレたら、進藤君に意地悪されちゃうもん……。


「──そっか。あ、着いたよ」

進藤君に言われて向き直ると、確かに目の前にはあたしの家があった。


進藤君の家からの道のりはあっという間だった。

なぜなら、あまり進藤君と話せなかった気がしていたので、現実味がなかったから。

だから、思わず彼や我が目を疑いたくなった。


あ、あれ?
こんなに着くの、早かったっけ?


「水嶋さん?」

「え?」

「あ、いや。なんか……、残念そうな顔してるから」

「えっ!?」

残念そうな顔してたの!?


進藤君に指摘されて恥ずかしくなり、急いで顔面を両手で覆う。

けれども、進藤君の手があたしの手を掴んで、顔から離した。

すると開けた視界には、進藤君がどことなく楽しそうに微笑んでいる。


その微笑からイヤな予感を感じ取ったんだけど、あたしにはどうすることもできなかった。


「俺とさよならするの、嫌?」

「えっ……」