その瞳で見つめて~恋心~【完】

 


帰宅するために、すっかり暗くなった夜道を進藤君と歩く。


「ごめんね、水嶋さん。ホントに」

「ううん。──あたし、努力する」

「え?」

「あたし、進藤君への苦手意識、克服するから」

あたしは真剣な表情で進藤君に宣言した。

進藤君のつらそうな顔、もう見たくないから……。


「………………」

そう発言したあたしを、進藤君は呆然と見つめる。


え?
あたし、おかしなことを言ったのかな?


「進藤……。きゃっ!?」

どうしたんだろうと声をかけようとした瞬間、突然に抱きしめられた。

おまけに抱きしめる腕の力が強く、体がつぶれてしまいそうだ。


息苦しくなる中、進藤君が小さな笑い声を出す。


「ヤバい……。すげー、うれしい……」

「え……?」

あたしが反応すると、進藤君は肩を掴んで体を離した。

その表情はいかにも満足げで、子どものようなきらきらと目を輝かせている。


「それって、兄さんにいちいち、嫉妬しなくていいってことでしょ?」

進藤君はホントに満面な笑顔であたしに言うものだから、思わずドキッと心臓が高鳴って顔が熱くなる。


どうしよう……。
進藤君、かわいい!!