「水嶋さん。実際は俺のこと、どう思ってるの?」

「え? あ、あの」

ど、どう思ってるかって……。


そう問われて、正直、自分でもわからなくなっているのが現状。

でも、そう返答してしまったら、答えにならないかもしれない……。


「ねえ?」

「っ!?」

ま、また近いって……!


あたしが思いあぐねていると、進藤君はまた顔を近づける。

それは、あと数センチでキスができてしまいそうな距離。

進藤君のその異常な距離の取り方に、赤面してしまう。


「ま……。まだ、ちょっと苦手……かな」

あたしはうつむきながら、答える。

思っているような答えが出なくて、少し彼への罪悪感を感じた。


「そっか。ごめんね。──あ。家、寄ってく?」

「え? いいの?」

「うん。ついでに、兄さんに会えばいいし」

「──ありがとう!」

あたしは進藤君に失礼なことを言ってしまったのに、進藤先輩に会わせてくれるアイディアをにこやかな表情で出す。


傷つけるようなことを言ったのに、こんなときにまであたしのことを考えてくれるなんて、やっぱり進藤君は優しい。