「わー、大きい……!」

「ね?」

白くて大きい教会が目の前にあって、あたしは感動しちゃった。


「有名なのも判るでしょ?」

「うん」

「入ろっか」

あたしは「うん」とうなずいて、手をつなぎながら入った。


「ステンドグラス、キレイだね」

「うん。あ、あそこに描かれてるのがマリア様とキリスト様だよ」

へー。

マリア様がキリスト様を見上げてる……。


「……俺の今の両親って、ここで式を挙げたんだって」

「へえ」

「写真の中の母さん、キレイだったなぁ」

「見てみたかったなぁ。進藤君のお母さんのドレス姿」

「帰ったら、見せてあげるよ」

「うん。……あ。ここで誓うんだよね」

この小さなテーブルの前で……。


「……ここで誓っちゃう?」

「え?」

「まだ、確かなことは言えない。けど、絶対に……離さないから」

進藤君はひざまずいて、あたしの手を取る。

そして、手の甲に優しくキスされた。


「……水嶋さんも、誓ってくれる? 俺と一緒にいてくれるの。……ずっと」

 ……進藤君のことが苦手だった。

だけど、今は。


「うん」

 ……誰よりも好きだよ。

あたしは、離れない……。