その瞳で見つめて~恋心~【完】

「あ、あのね。進藤君」

「ん?」

でも、いざとなると、言い出せない。


「……水嶋さん、何か言いたいんでしょ? 手に汗かいてるし……、震えてる」

「うん……。あのね、朝、矢野君っていう男の子、いたよね?」

「うん」

「矢野君に告白されたの……」

進藤君、なんて反応するのかな?

それが怖かった。


「そっか。何て?」

「『奪っていいですか?』って……」

「……」

そう言うと、進藤君は黙ってしまった。


っ、怒っちゃった……?